斧寺写真館-PENTAXユーザーの覚書-

宮城県住まいの30代男性。一眼レフでの試行錯誤を残すために始めました。

センサーサイズ問題で界隈がにぎわっているお話~学歴マウントと同じ臭いを感じる~

昨日の投稿で、ちょっと落ち込んでいた体験会への気持ちが結構変わってきました。

撮影直後は正直、違いがあまり分からずにテンション下がり気味でしたが、しっかり比較してみると噂通り暗部での粘りのようなものを感じました。

 

 

どっちがKPでどっちがK-1Ⅱで撮った写真でしょう!?

 

という茶番は置いておいて、さてさて、ここ最近、センサーサイズの違いについて、Twitter上で色々と議論があったようです。

複数の写真を載せて、どれがフルサイズでどれがAPS-Cで撮った写真でしょう?ってやつ。

あと、私がよく見ているYouTubeのチャンネルで活躍されている矢沢隆則さんのツイートを引用してうんぬんかんぬん・・・。

 

文字が多めでとっ散らかったので、自分的な意見をざっくりまとめると、

①ボディやレンズの話をすっ飛ばして、センサーサイズの話に集約してるのはどうなのかな?

②職業カメラマンと趣味でやってる人や芸術思考の写真家は別分野なので、カメラに求めるものは違ってくる。そもそも議論する土俵が違うのでは?

③写真を並べて・・・は、もはや比較になってないので、何をしたいのかよく分からない

 

 

①ボディやレンズの話をすっ飛ばして、センサーサイズの話に集約してるのはどうなのかな?

 

矢沢さんは「プロとして仕事を請け負うなら、それなりのスペックの機材が必要である」という考えをお持ちの方。

フルサイズが、というよりもフラッグシップ機を持つべきで、結果としてフルサイズになるよねって意見だと、私は捉えてます。

最初はその断定的な物言いに、少し自分を否定されたような気がしていましたが、それはあくまで作品撮りではなく、仕事としてみたらという話でのことなのだな、ということが分かってきてからは、その一貫した論調には心地よささえ覚えています。

 

センサーサイズによる違いは明らか、という話ですが、その違いがまだほんのりとしか分かっていない自分としては、まだ理解しかねるところはあります。

ですが、レンズやボディの話をすっ飛ばして、機材のスペックを「センサーサイズ」の一部分に集約して、部分的な話を拡大解釈して大騒ぎしているのは絶対に違うなと思う訳です。

トリミングした写真を引き伸ばしたら、そりゃボヤけるでしょうよ、と思う訳です。

 

フルサイズかAPS-Cかという話は、センサーサイズ以上に、ボディやレンズのスペックが大きいようにも感じています。

各社、というかCannon、SONYNikonの3社は、明らかにフルサイズを上位機種と捉え、ボディの性能も、レンズの性能も、段違いの物を送り出しています。

ということで、開発資金が分散しないように、社内競合が起こらないように、色々と理由はあると思いますが、APS-C機を入門用として、レンズラインナップもそこそこ、そこから上位機種になるにつれてフルサイズ機と高級レンズを揃えるという、企業体力があるからこそできる戦略を取っています。

 

そして、ある程度までいくと、それはもはやプロが仕事で使う道具のレベルとなります。

シャッターの耐久回数が多いフラッグシップ機ですら、数年で買い替える程シャッターを切っているプロの人たちと、趣味で撮っている我々とが同じ土俵で話をするのがそもそも違っているように感じてしまいます。

 

一眼レフ全盛期の時代は、Cannonの7DMarkⅡのような、APS-C機の高速連写型の上位モデルなんかもあったようです。

そういった尖った性能のAPS-C機上位モデルが多ければ、そこまで溝もなかったのかもしれませんね。

 

ということで、レンズやボディなども含めた総合的な話であるはずなのに、なぜかセンサーサイズの話に帰結して、そこだけで比べてるのはなんなんだろう?という疑問です。

 

②職業カメラマンと趣味でやってる人や芸術思考の写真家は別分野なので、カメラに求めるものは違ってくる。そもそも議論する土俵が違うのでは?

 

①とほぼ被るのですが、仕事で使うために機材に求めるものは、どんな条件下でも一定以上の成果を残すことです。

お金を頂いているのだから、それは当然でしょう。

お金を払う顧客側の意見も無視できません。

私の仕事とは全く別分野ですが、働いてお金をもらっている社会人ならある程度予想はできると思うのですが、どうでしょう?

 

そのために、良い機材、レンズ、三脚に照明にスタッフと、個人で撮影している人とはカメラを使う環境も求められているものも全く違います。

 

ここからは個人の感想ですが、芸術思考の方は、そういったもの以上にカメラを持って撮影するときの気分に影響する「好きなカメラ、テンションの上がるカメラで撮る」ということに大きな意味を見出しているように思います。

自分の感性を刺激するようなフォルム、シャッター音、ファインダーの見え方、それらが合わさっているように感じています。

 

極寒の地や、動き物、暗所での撮影などでは、機材のスペックや堅牢さが求められることもあると思います。

それと、仕事でスペックを求めるのはまた違った意味合いがあるように思います。

似ているようで方向性はまるで違うと思うのです。

 

③写真を並べて・・・は、もはや比較になってないので、何をしたいのかよく分からない

 

レンズもボディも場所も構図も違う写真を並べてうだうだ言っているのは、ムエタイ選手がボクサーにハイキックをかましてる中、観客席からエアガンをぶっ放すくらい意味が分からない状況です。

他のスポーツでも言えることですが、同じ競技でも、種目やポジションによって道具や高める能力が違うのです。

一矢報いたつもりになっているのかもしれませんが、余計に話をややこしくしているだけのように感じています。

 

これについては、何がしたいのか本当に分かりません。

 

APS-Cユーザーの支持を受けたいインフルエンサーの方々もいるでしょうから、そういったポジショントークなのかな?と思ってしまいます。

 

終わりに

 

実際、フルサイズマウントを取る人もいますし、それに過剰に反応する人もいるので、なかなか難しい話ではありますけどね。

 

少しお言葉は悪くなりますが、フルサイズセンサーでマウントを取るのは、学歴マウントのようでみっともないですし、それにいちいち突っかかるのも、センサーサイズにコンプレックスを抱いているような余裕のない感じがしてみっともないです。

 

かくいう私も、過去記事を見ればセンサーサイズに右往左往していた人間の一人ですので、こんなに長々とものをいうのは恥ずかしいのですが・・・。

私は正直に言うと「フルサイズがうらやましい!」という気持ちがあり、「それでも、APS-Cでもいいんだ!」と自分を納得させる為にあれやこれやと言葉を費やしてきた部分があります。

 

話が取っ散らかっちゃいましたが、今のところの個人的な意見としては、「撮りたいカメラとレンズで、撮りたい写真撮れよ!」です。

それができていないから、やたら攻撃的になっちゃうのではないでしょうか?

自分の好きなカメラで撮りたい写真が撮れている人は、こんな議論に参加せずに純粋に写真を楽しんでいますよ。

カメラ業界は、そんな言い争いをしていられるほど余裕のある世界ではないと思うのです。

みんなで楽しく、写真活動をしていきましょう。

 

最後に、カメラのスペックに踊らされていた頃から少し落ち着くことができた本を紹介して終わります。

 

「カメラじゃなく、写真の話をしよう」

 

これを見て、かなり気持ちが整理されました。

そのうえで、今はフラットにものを考え、それでもフルサイズ機であるK-1Ⅱ(できればその次の機体、K-1Ⅲ)が買えたらいいかなという気持ちもあり、楽しく次のカメラを悩んでいる状態です。

 

久々に超長文となりました。

 

おまけ

冒頭の画像ですが、周囲のボケ具合をよく見ると分かるのですが、一枚目がKP、二枚目がK-1Ⅱです。

真ん中の雫にピントを合わせ、数値は同条件での撮影となっています。